今回ご紹介するお店は、JR八王子駅から徒歩5分程のところにある本格派ビストロ、「Bistrot BonCoeur(ビストロ・ボンクール)」です。
ボンクールが入居する「 0426 spring garden 」というレンガ造りのビルは、バブル華やかなりし頃の1986年に建築され、その名の通り、ビルの真ん前に噴水が流れ落ちるという、超バブリーな造りとなっています。
特に目を引くのは、噴水経路ともなっている2階から突き出た「途中でちょん切れた階段」。
夜になるとこの階段から噴水が流れ落ち、バブル時代を彷彿とさせるのです。
界隈の方からは「噴水ビル」と呼ばれ、独特の雰囲気を醸し出すこのビルには、多種多様な飲食店が入居しており、その30年という歴史の中で様々なストーリーを紡いできました。
そのストーリーの一端を担うのが、ビストロ・ボンクール。
今年2018年に開業20週年を迎えるこちらのお店は、バブル崩壊後の経済が右肩下がりといわれた時代を、八王子という場所で、しかもフレンチという難しい業態で生き残ってきた「本物のお店」です。
そしてこの「本物のお店」の魅力をお伝えするレポーターは、毎月15日にチョコレートケーキが半額になるお店「BASEL」代表取締役の渡辺純さんにお願いしました。
ボンクールに対して特に強い想い入れがある渡辺さんが、ビストロの「本当の魅力」をお伝えして下さいます。
それでは、渡辺さんのレポートをご覧ください。
長い歴史と食文化のある街、八王子の本格派ビストロ
カウンター越しに、目利きの大将が丁寧に磨いた魚を、一つ一つ心を込めて握ってくれる素晴らしいお寿司屋さん。
手をかけたつまみを肴に、お天道様の高いうちから、そば前を愉しみ、抜きで仕上げることができる粋な蕎麦屋さん。
継ぎ足し継ぎ足し、重ね重ねこしらえてきた伝統のタレにくぐらせて、炭火で焼き上げ、固めに炊いた、輝きのあるご飯に載せて一口運べば、時間が作り上げるまろやかなる香ばしさと、凝縮された旨味が口の中いっぱいに広がるうなぎの名店。
黒塗りの車が出入りするような都内の名料亭に負けず劣らずの、凛とした器を出す割烹料理。
絹織物で栄え、神楽坂以西で唯一花街が現存する八王子は、長い歴史に裏付けられた食に対して懐の深い、文化のある街であると感じています。
私は、本物が好きです。
流行に流された最先端の料理よりも、歴史や伝統に裏付けられた郷土料理や伝統料理の滋味深さに舌と心を打たれます。
年に数回、今までに数十回はフランスに渡航しておりますが、全ては食のため。
本物に触れていたいからにすぎません。
今も、ボンクールさんの料理を思い出しながら、ヨンヌ県、ブルゴーニュの北のはずれ、ウォッシュチーズで有名なエポワス村と、美しいヴェズレーという村の間に位置する、1116年に建てられた古い水車小屋に泊まりながらこの文章を書いています。
私は、心から、ボンクールさんのようなビストロがもっと八王子に増えてほしいと願っていて、皆様に日常的に使っていただきたいと思っています。
フレンチ=高級、フレンチ=晴れの日レストラン。フランス料理を食べるということが、どうして「特別な」になってしまうのでしょうか、、、
確かに、居酒屋さんに3回くらい行ける金額です。
しかし、まともなお寿司屋さんの半額、うなぎ屋さんと同等、お蕎麦屋さんの2回分の金額です。
あくまで、「本物」を食す。
ということが前提でのお話です。
せっかくのグルメ探訪ですから。。。
「本物」に触れ続けていると、見えてくる世界があると私は考えています。
全てのモノには適当に作られたものと、本物があると思っています。
高い安いという価値ではありません。
贅沢な話と言われるかもしれませんが、できる限り本物に囲まれて生きていたい。
コンビニのおにぎりならば、おばちゃんが握った手作りのおにぎり屋さんがあるならそちらで買いたい。
同じパンを食べるなら、添加物満載の大手メーカーのパンを食べるより、街のパン屋さんの手作りのパンを食べたい。
スーパーで売っている味噌で味噌汁を作り、体内に化学調味料を流し込むならば、おばぁちゃんが作ってくれた手作り味噌で作る味噌汁が飲みたい。
利便性ばかりを追求するのではなく、できるだけ人が手をかけて作った本物を食す、それがハイスタンダードな暮らしの基本だと私は考えています。
そして八王子には本物を愛する人がたくさんいるような気がしています。
・上野勝さんプロフィール
新潟県の海しかないような田舎街で青春時代を過ごす。
栄養士の専門学校を卒業後、料理の道に進む。
都内レストランで働いた後、30歳のときに八王子で独立開業。
今年で開業20周年を迎える。
さて、レストランや飲食店で食事をする時に、しげしげと、一口一口、吟味しながら食べている人はどれだけいるでしょうか?
グルメ番組で、、、とろけるぅ〜〜〜、とか、歯ごたえがぁ・・・とか、、いろいろな表現をされますが、それは食べた人だけが感じること。
支払う対価に得られるものは、そんなものだけではありません。
大切な人と時間と空間を共有し、楽しい時間を過ごすことだと思います。
料理は美味しくて当たり前、脇役に過ぎません。
食事を楽しむ時に、お店の料理が美味しいだけで、その日は楽しい日になるでしょうし、大切な人の心に残る素晴らしい時間をプレゼントができる。
そんなチカラがレストランにあります。
日常的にというのは、毎月行くとかではなく、特別な出来事がない日であっても、たまに食べに行くことで、心豊かな生活ができるということです。
さて、ビストロとは、、、
ググりますと、「気軽に利用できる小さなレストラン」と定義されています。
小さいに意味があります。小さいとは25席程度までのお店のことを言うのでしょうか、ビストロの愉しみ方は、大きな声でおしゃべりしたらいけないとか、かしこまって時間を過ごさなくてはならないなどは一切なく、気軽に過ごしながら美味しいものを食べることです。
楽しみ方にルールはなく、好きなものを、食べたいものを、食べたいように組み合わせて、好きなように食べればいい、気軽な近所の食堂です。
どう楽しむかはその人次第。
ビストロやフレンチにご一緒して、あまりメニューを見ようとしない人がいます。
メニューをほとんど見ないで「おすすめはなんですか?」ってすぐ聞く女性。
メニューを見ようとしないで「とりあえずコースで!」と注文するオヤジ。
なぜ、メニューの選択という一番の楽しみを放棄してしまうのか?
醤油にするか、味噌にするか、塩にするか、ラーメンなら考えるのに。
せっかく美味しいものを食べに来たのにもったいないと思います。
正しい楽しみ方があるとすれば、ビストロのドアを開いたら、食い意地を出しまくり、メニューを全部読み、今という瞬間をどう最大に楽しむかを真剣に考えるべきです。
わからないことは素直にお店の人に聞いてしまえば良く、聞いてくれることでお店の方もお客様と話しやすくなります。
メニューを決めるとは、「判断と決断」、軽んじてはいけない大切な行為。
ろくに判断もせず適当な決断をする人と誰が一緒に居たいでしょうか。
大切なことは、綿密に判断し、潔く決断し、たとえ自分の決断が失敗であっても文句を言わないことです。
大げさに書きましたが、直感で判断するのも良いでしょう。
海外でメニューが読めない時や、言葉が通じない時は直感に頼るしかありません。
ドイツ語のメニューなどは、私には全く読めないですから。
メニューを選ぶ「判断の時間」は、食前酒を楽しむ時間でもあります。
おしゃべりに夢中になって30分以上かかる場合もあります。
大いにゆったりと時間をかけて楽しみながら判断しましょう。
どんな料理があるのか、文字を読み、想像力をフルに働かせてイメージを膨らませます。。
文字だけのビストロのメニューは、想像を膨らませ「ワクワクする」楽しみがあります。
私はメニュー表記とシェフの体型やお店の雰囲気を重ねて見る場合があります。
「シェフが太っていたらこの料理は間違いなくうまいはずだ!」とか。
「なるほど、こんなことにこだわっていそうだから、このメニューが載せられているんだなぁ、ならば食べてみよう!」とか。
照明、グラスの形、カトラリーの置き方、スタッフの所作、香り、インテリアと味が重なる場合はよくあります。
たとえ判断が間違って、期待と違った料理が出て来ても、それは自己責任。
スパッと頭を切り替えて、今という瞬間を大いに楽しめる素敵な大人になることも大切。
特に、ビストロの文字だけのメニューは、オーダーの失敗によって想像力とポジティブな思考が身に付くこともあります。
写真付きのファーストフードやファミリーレストランのメニューを選ぶ時は、「これでいい」と己を納得させる行為。
出てきたものが写真と同等か、それ以上の価値があるかを確認をするという、非常に現実的な行為になります。
出てきた料理を確認して写真以上の価値があれば自分は正しかった。
がっかりしたら「写真と違うじゃないか!」とお店に文句を言いたくなります。
写真付きのメニューのお店が増えれば増えるほど、人々の心からは想像力と自己責任という大切な感覚が消えていくような気がします。
旅のガイドブックの写真を見ながらエッフェル塔を指差して、「あ、、写真と同じだ!」と確認できたら次の観光地に移動する。
今や食べ歩きとは、そのお店を深く知り愉しむ行為から、グルメサイト情報と同じかどうかチェックしに行く確認行為に変わりつつあるような気もしています。
このサイトを読んで、どこかのお店に行かれる時は、写真と同じかどうかの確認行為としてお店を訪問していただきたくないですね。
私は画像という現実に引き戻される情報があまり好きではありません。
ワクワクがなくなり、夢を失い美味しさが半減してしまうからです。
主人の想いがあって文字だけのメニューにしているビストロや割烹屋さんも、誰かが、勝手に写真をグルメサイトに載せてメニューや店の雰囲気を紹介してしまうわけですから、変な先入観や過剰な期待が生まれます。
気になる彼女と付き合うまえに、彼女の裸を見せられてしまうようなもの。
グルメガイドは悪いとは言いません。私もよく利用します。
「ワクワクしたい」か、「損したくない」かの違いは大きく、知らない街を旅して、お店の外観や、盛り塩、打ち水、のれんの端に小さく書かれた屋号を見て、「あ、、このお店良さそうだ!」と、「ワクワクを楽しむ」のも食べ歩きの大きな魅力の一つでではないかと思います。
グルメガイドが普及すればするほど、本物を見抜く感性が失われて行くんだなぁ、と悲しくなることもあります。
さて、、
おしゃべりに夢中になって、「あ、メニューを決めるの忘れてた!」ってこともあるでしょう、それもチャーミングなひと時であり、店員さんも暖かく見守ってくれているはず。
まずは胃袋をアルコールで洗浄しましょう!居酒屋に行けば「とりあえずビール!」って頼むのと同じです。
まずはビールを飲みながら、何を食うのか考える、それと全く同じです。
食前酒は、泡物以外にもキールやシェリーやベルモットなど、いろいろと愉しむ手があります。もちろんビールも!
いきなり「マティーニください!」って店員さんをビビらせるのも一つの手。
ニューヨークでは当たり前だし、ロシア語圏に行けばフランス料理の食前酒にウォッカの一気飲みをかましつつ、メニューをゆっくり考えるマダムもいます。
お店にご用意がなく、お出しできないメニューがある場合、「お客様をがっかりさせたのでは?という負い目を、会計が終わる前に挽回しよう」と努力してくれるはずですから、無さそうなものをわざと頼むのも、より良いサービスを受けるために、こちらが一段有利になる手の一つです。
さて、メニューを把握したら、次は自分の本能と相談。
「今日は何を食べたいのか???」
最近のミシュランで星を取るようなお店は、お皿の余白が広くて、可食部分がちょこんと乗ったお料理が、何皿も出てくるような、コース仕立てで勝負する、化学実験的レストランが主流ですが、私はどうも好きになれません。
だって、その日に何を食べたいのかが全く反映されないまま、食後に高い金額を要求されるわけですし、シェフやお店に不必要な敬意を払って食べるのもちょっと疲れますしね。
何が出てくるかサプライズを楽しめるほど、私は心に余裕がない人間なので、その手の高級店は、ご馳走していただけるなら是非行ってみたいですが、自腹で行くなら断然ビストロが好き。
メニューをオーダーするとき、私は自分で食べたいメニューが決まっても、相手に打ち明けないようにすることもあります。
それは、相手の今日の本能を大切にしたいからと、自己の快適さを保つため。
「あなたがそれにするなら、私はこれに変えるわ!」と言われてしまい、相手がせっかく本能に従った判断をしたのに、変えさせるきっかけを作ってしまうのがすごく嫌なので「じゃぁ、僕がこっちにするよ」と変更せざるを得ない空気になったり、その押し問答をするのがあまり好きではありません。
二人が前菜もメインも全く同じチョイスになったら「二人は気が会うね!」って、盛り上がるところだと思うんですが、せっかくだからいろいろ食べてみたい!って思うのか、相手と違うメニューに変えたがる女性が多い気がします。
だから私は、相手が店員さんにオーダーを伝えてから、自分のオーダーを伝える場合もあります。
それでも「じゃぁ、、」ってその場に及んで変更しようとする人がいますよね、自分の奥さまならば諦めますが、、、
ロマンチストの私としてはちょっと苦手な瞬間。
なぜか、、、
違う料理をオーダーすると「そっちも食べたい」って思ってるんだろうなぁ、、、と。
シェアするという邪魔な概念が、、、
フレンチは、ビストロであっても高級店であっても、基本的にはそのプレートは一皿として完結したデザインをされています。
主の食材、付け合わせ、分量、すべてはシェフが命がけで考えた一皿。
きちんと一人で平らげて完結です。
「お取り皿、お持ちしますか?」と満面の笑顔の店員さん。
「いえ、結構です!」と苦笑いな私。
連れの女性が「なんで?」と、キョトンとしているか、、、
「それが正しい」と、うなづいているかによって、次にまた食事に誘うか誘わないかが決まります。
最悪のケースは、私のオーダーを聞いて、自分の本能に従わないで、わざと違うオーダーをし、さらにはそれを食べきれず残し、食べきれないからと皿ごと私に食べさせようとする人。
一つのお皿を丁寧に、ワイングラスの残りワインの分量まで計算し、快適に食べようとしているのに、ぶち壊してくる人がいます(笑)。
何しろ、せっかくのお料理を小さな取り皿に移し替えて、わざわざ見栄えを悪くして食べるのが本当に不快。
こんなことを書くと、なんてめんどくさい男なんだって、ネット上で暴露してるみたいですが、私は基本的にフレンチに行ってシェアするのは好きではありません。
しかし、現地フランスのビストロでも、まだ、少数派ですが、とりわけを推進しているお店が最近では増えてきました。さすがに取り皿は持ってこないですけどね。
「みんなで一緒に食べる?」「全部同時に出す?」って聞いてくるお店も増えました。
アペロスタイルというのか、シャルキュトリー(ハムやパテなどの盛り合わせ)を複数の人でつつきながらワイワイ楽しむスタイルのお店も増えてきています。
Bar a Vinというワインバースタイルのお店も増えてきているからではないでしょうか。
こうやって、時代とともに世界はどんどんフラットになってゆきます。
現地で人気があったり、流行ってるお店に行くと、かつおだしやシイタケは当たり前。
フランスでテレビの料理番組を見ていると、タルタルステーキを作るのに、米酢や黒酢、醤油を入れると美味しい!とアラモードな作り方が放映されています。
さて、前置きは長くなりましたが、本題のボンクールさんのレポートをしなければ。。。
3年前にリニューアルオープン。
ビストロらしい温かみのある素敵なインテリアです。
壁のミラーがいいですね、上野さんが選んだという布のシェードがついた壁のブラケットランプもビストロらしい素敵な雰囲気をさらに盛り上げます。
ベンチのソファーはビストロの定番の深い赤、こちらのやる気もそそられます。
ローカル電車のような向かい合わせの席、ここのベンチは以前のお店から移設したものらしく、上野さんの歴史が刻まれているアイテム。
ガンガン食べて、話に花を咲かせるもよし、二人で落ち着くもよし。私はこの電車シートか、ベンチの端っこの席が好きです。
聞くところによりますと、パリのラ・ペール・ド・カルトゥーシュというクラシックなビストロをちょっと意識されたそうです。
カルトゥーシュは、私もパリに行くたびに立ち寄っているお気に入りのビストロ。
お店が落ち着いてくると、背の高い白髪のシェフがカウンターでお客様とおしゃべりをしている楽しそうなお店で、何しろ客層がすごい。
お客様は高齢者ばかりのお店です。ブルターニュ出身のシェフは「料理の美味しさはバターで決まる」と言い切る。
コテコテのクラシックなビストロで、大きな豚足料理などを、おじいちゃんが手をブルブル震わせながら元気に食べているようなお店です。
そんな上野さんの佇まいも、どこかカルトゥーシュさんに似ているなと。
あと10年もすれば、もっといい味が出てくるのではないでしょうか。
今日は、「猪の煮込みのニョッキ」と「牛ほほ肉の赤ワイン煮」を注文。
両方ともあえて、「茶色のお料理」をオーダーしてみました。
「茶色は美味い!」はビストロの鉄則なので。
茶色は、しっかり焼かれた素材の元素、それを液体で溶かして伸ばし、さらに煮詰めて凝縮された旨味に変換する。
そんな料理の基本が詰まっている味です。
「牛ほほ肉の赤ワイン煮」は定番中の定番で、どこのお店でも出し尽くされた感があり、30代のシェフが作る場合は、リミックスされた創作料理に変わってる場合が多いですが、上野さんのはクラシックスタイルです。
時にはこういう料理も落ち着きますし、寒い時期には煮込み料理がいいですね。
特にイノシシは焼いても煮込まれていても、体をポカポカ温めてくれる力があるように感じます。
合わせたワインはCHINON(シノン)という、カベルネフランが主体のワインです。
作り手によってはピーマンっぽいベジェタルな青臭さを共なう場合はあるので、シノンが好き!っていう方は少数派かもしれませんが、今日のシノンは素晴らしくバランスが取れていて良いワインでした。
これも、ビストロワインという感じで気分が盛り上がります。
ブルーゴーニュのピノノワールや、ボルドーのカベルネやメルローに高い投資をしなくても、シノンやローヌあたりのお手ごろワインを合わせて楽しむのもビストロの良さです。
八王子で唯一の「本格的ビストロ」ボンクールさん。
前菜と泡だけで、ちょこっと楽しむのもよし、ボリュームのあるクラシックな煮込み料理と赤ワインでガッチリ行くもよし、繊細な魚のポワレをマコンあたりの気軽なシャルドネで楽しむも良いでしょう。
八王子にはそんな素敵なビストロがあります。
レポーターのご紹介 渡辺 純さん
青山生まれ、渋谷育ち。
物心がついた頃に八王子に転居、ド田舎ぶりに絶望感を覚える。
青年時代は都心に憧れ、事業も都心に向けての展開に挑戦する。
フランスへの渡航は70回以上。
フランスに行くたびに、地方都市に素晴らしいレストランやベーカリーが沢山あることに感動。
地方や田舎に住む人は、自分の町や村を愛し、
「どうしてパリなんかに行きたいんだ!?」「ここが最高じゃないか!」と言う。
なぜ、日本は「東京が一番すごい」と思っている人が多いのだろうと素直な疑問が。。。
地方の方が、緑も豊か、素材も豊富、土地も広く地価も安いので、お店を経営するランニングコストも安い。
地方の方が思い通りの世界観も描けることに気づく。
八王子は、明らかに地方都市だと思うので、「山梨県八王子市」と呼んでいる。
これも、東京の端っこにある街と言うイメージを脱したいから(笑)。
現在は八王子、日野、立川に、パティスリー、カフェ、ブラッスリー、レストランなどを「BASEL」「TAKAO COFFEE」で、山中湖には2,000坪の敷地に鹿やイノシシが遊びに来るケーキカフェ「ペーパームーン」を営業中。
~愛ある味を求めて、日々奮闘中~
・ワインイベント「St Vincent Hachioji」主催
・「八王子フードフェスティバル」実行委員
・有限会社バーゼル洋菓子店 代表取締役( URL: http://www.basel.co.jp/ )
お店データ
店名:Bistrot Boncoeur(ビストロ・ボンクール)
電話:042-642-1020
アクセス:JR中央線 八王子駅 北口 徒歩5分 京王線 京王八王子駅 徒歩8分
住所:東京都八王子市中町3-2 -0426スプリングガーデン1F奥
HP:http://www.bistrotboncoeur.com/
Facebook:
https://www.facebook.com/bistrotboncoeur/
営業時間:12:00~15:00(L.O.14:00) 18:00~23:00(L.O.21:00)
水曜定休日 ※月2回火曜不定休あり。HPのNews内で確認してください
アクセス
当サイト管理人より
八王子グルメ探訪 第13回、「ビストロ・ボンクール」特集はいかがでしたでしょうか。
店名の「ボンクール」という言葉には、「心から」「喜んで」という意味があるそうで、来店して下さったお客様には「心から楽しんで頂きたい」という、オーナーシェフ上野さんのおもてなしの気持ちが込められています。
上野さんはビストロを「晴れの日」だけでなく、「普段の日」にもっと気軽に使って欲しいといいます。仕事帰りにぶらりとワインを飲みに行くような、そんな使い方でしょうか。
フレンチと聞くと「お洒落しないと」「記念日じゃないと」と、どうしてもかしこまってしまい、イタリアンでパスタやピザを食べるようにはいかないとイメージしている方も多いかと思います。
このイメージは、日本人に染み付いたステレオタイプな「フレンチ崇拝思考」から来ているのでしょうか?パスタやピザのように、日本の家庭に浸透した気軽なレシピがないというのも一因かもしれません。
渡辺さんの記事にもありましたが、ビストロとは本来「気軽に利用できる小さなレストラン」と定義されています。
「フレンチ」という言葉が日本人に想起させる、「いたずらに高級感のあるイメージ」を、そろそろ上書きする必要があるのではないかと、今回の取材で強く感じました。
そして最後に。
八王子に住んでいながら、「どうせ八王子には本格的なビストロはないだろう」と諦めて、遠く都内まで出かけている方。
そんな方にこそ、ボンクールを知ってほしいと思います。
きっと、交通費と時間が節約できることでしょう。
そんな実力店が、八王子にはあるのです。
Photo by 山本ミニ子( にちにち寫眞主宰 )
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