広小路 ~八王子で一番古い焼鳥居酒屋~
広小路 ~八王子で一番古い焼鳥居酒屋探訪~
八王子グルメ探訪、最初にご紹介するお店は創業1964年、八王子で最も古い老舗焼鳥居酒屋「広小路」さんです。
広小路さんを選んだ理由ですが、まず、このお店でしか食べることのできない看板商品「伝説のやみつきホルモン」がどのようにして誕生したか知りたかったこと。
次に、開店から50年にわたり営業をしてきたマスターの想いや苦労話を聞きたかったこと。
最後に、吉田類の酒場放浪記(BS-TBS:毎週月曜日放送)などのメディア取材時のお話が聞きたかったことなどが挙げられます。
それではさっそく、Facebook友達でつながっている「なおママ」にアポを取り、お店にお伺いしましょう!
▼2018年6月28日追記
2018年4月14日(土) テレビ東京「出没!アド街ック天国」で広小路さんが八王子ランキング第8位「地元飲み」で取材されました!
出没!アド街ック天国の八王子ランキング
昭和レトロを満喫できる店、広小路へいざ探訪!
古びた看板を横目に見ながら引き戸をガラガラと滑らせると、そこには創業当時とほぼ変わらない、昭和の古典酒場を思わせる風景が目に飛び込んできました。
店内は屋台のような雰囲気で、初めて顔をあわせるお客さん同士で名刺交換が始まることもしばしばだとか。
写真は取材時にお客さんの許可を得て撮影したもので、雰囲気伝わってきますよね?
常連さんも初めて来るお客さんも、すぐに和んで仲良くなれる雰囲気が広小路にはあります。
皆さん、ワイガヤと楽しそうでしたよ~(^^)
席数はカウンターが7,8席と4人が座れる座卓が3卓なので、20人も入れば満席となってしまいます。
座卓の方に座り、横を向いて壁にもたれ足を伸ばすと、気分はもう自宅気分です。
ひと仕事終えたあとにこんな格好でビール飲めるから、最高にくつろげるんでしょうね。
お店はマスター、大ママ、なおママの3人で役割分担
写真左から大ママ、マスター、なおママの3人が笑顔で迎えて下さいました。
それではご紹介します。
マスター
現在のマスターは二代目で、先代はマスターのお兄さん。
マスターは昭和39年(1964年)の開店から2年遅れの高校卒業の翌日から広小路で働いており、もう51年もお店の中を行き来しています。
マスターは焼鳥の仕込みとタレ作り、飲み物担当です。
大ママ
マスターの奥様。取材時には「辛いつくね」の仕込みをされていました。
おつまみ全般を担当しています。
なおママ
マスターと大ママの娘さん。3代目ママとして継いだのは10年前。
焼き場と広報を担当しています。
お店の雰囲気
壁には53年前の開店時に頂いたという木目込み人形が飾ってありました。
昔は花輪のかわりに木目込み人形を贈る習慣があったそうです。時代を感じさせますね。
戸棚の中には広小路の守り神?である「まねき猫」と八王子ご当地キャラの「たきぼう」が鎮座ましましています。
まねき猫はもともとカウンター内の棚に置いてあったのですが、焼き鳥のすすで顔がガングロになってしまい、お客さんから理由を聞かれていちいち答えるのが面倒くさくなって戸棚にしまったそうです。
張り紙のメニュー。左下にありますね、今回の主役「伝説のやみつきホルモン」が。
ちょっとお店の中を見回すだけで東京オリンピック開催当時とほとんど変わらない、昭和レトロを感じることができます。
ノスタルジーに浸りつつ、広小路さんのおすすめメニューについてご紹介することにしましょう。
おすすめメニューの1位から4位は絶対食べるべし
カウンターの上には小さなホワイトボードがあり、お客さんの人気により変動する「人気串ランキング」が書いてあります。
友情出演のイイダコ串は季節物です。
1位はもちろん、「伝説のやみつきホルモン」ですね。
後ほど詳しくご紹介いたします。
2位の「つくね(辛い!)」は、やみつきホルモンを追い越すような勢いの1品で、以前は5位だったのが、今やお客様ランキング2位に上がってきました。
青唐辛子が入っているのですが、仕込みのときに生で食べてみて辛くないときは出さないとのこと。
つくねが辛いのが好きなお客さんが多く、「辛くないとつまらない」だそうです。
常連さんの中には、家で寝ていて夜中に目が覚め、「あ~、つくねが食べたい~!」と発作がおき、その夜に来店した人もいるそうです。
辛さの秘密は仕込みのときに青唐辛子を200本刻んで入れているためで、気候により辛味にばらつきがあり、日により入れる本数を変えているんだとか。
3位の「トロトロとりレバー」は他店とは大きさが全く違います。
チェーン店のレバーは串打ちされた状態で送られてきて、あとは焼くだけですが、広小路では来たのものをそのままさばいて使います。
他店のレバーは、広小路のレバー1本で2本分のレバー串にしているところが多いのですが、広小路はレバー串1本で鶏1羽分を使います。
また、レバーは切ると皮が破れ、切り口から旨味が流出するのでそのまま焼きます。
このため、皮の中ではジューシーな旨味成分が逃げることなく、フツフツと煮え、トロットロの食感を味わうことができるのです。
ホワイトボードに書かれたおすすめメニューにハズレはありませんので、是非食べてみて下さいね。
激ウマとろプルの「伝説のやみつきホルモン」を食べてみた
それでは、やみつきホルモンをなおママに焼いてもらいましょう。
今回、なおママの了承を得て、やみつきホルモンを焼いているところを動画撮影させて頂きました。
1分30秒ほどの動画なのでぜひご覧ください。
なおママが「伝説のやみつきホルモン」を豪快に焼いている動画
まるで護摩焚きのような物凄い炎を上げながら、豪快にやみつきホルモンを焼いていますね。
出来あがりはアッツアツのぷるっぷるです。
余分な脂が落ちたコラーゲンたっぷりのホルモンに、秘伝のタレが染み込んで美味しそうですね~。
それでは今回、食レポのお手伝いさんとしてご同行頂いた、山本行政書事務所の山本さんにこの「伝説のやみつきホルモン」を試食して頂き、率直な感想を頂くことにしましょう。
さあ、山本さん、やっとこさ出番ですよ!(いい役だなぁ~)
山本さんが「伝説のやみつきホルモン」を食べた感想は?
山本さん、もきゅもきゅと飲み込みながらの食レポだったのでちょっと苦しそうですね。
べしゃりはもう少し練習してほしいところですが、今回初めてなので大目に見てあげてくださいね。
でも、美味しさは十分に伝わってきましたよ。
広小路でしか食べられない「やみつきホルモン」誕生秘話
行政書士の山本さんも美味しすぎて言葉を詰まらせた「やみつきホルモン」ですが、大ママから商品開発の苦労話を聞いたので差し障りのない範囲でまとめます。
- やみつきホルモンを商品化するため、お肉屋さんに「こういうものを作りたい」と言っても疎通が上手くいかず肉屋を4軒替えた
- 今のお肉屋さんは質の良いホルモンがあれば一頭買いして、それを全て広小路に出荷する
- やみつきホルモンは希少部位のため入荷できないときは提供できない
- 脂を2回抜いているためコラーゲン成分が脂よりも多い
- 2回脂を抜いてこの大きさなので元は倍の大きさ
- 余計な脂がないから見た目よりも意外にサッパリしている
- おんな酒場放浪記(BS-TBS:毎週金曜日放送)を見た焼肉屋さんや焼き鳥屋さんが色々と聞いてくるが、やみつきホルモンみたいにできないと嘆いた
- 胃腸科の先生がひとりで7本食べたことがある
やみつきホルモンは、お肉屋さんとのコミュニケーション、一頭買いなどの仕入れ方の違い、特殊な脂抜きなどのプロセスを経て、「日本で広小路でしか食べられない」オンリーワンの商品だということが理解できました。
1本400円という、焼き鳥串としては高い印象を受ける値段も、商品開発の苦労話を聞いているとむしろリーズナブルなのでは?と感じました。
それにしても胃腸科の先生、あの食べごたえのある「やみつきホルモン」を7本も食べられるとは脱帽です。
胃腸科の先生だから胃腸が強いなんてことはありませんよね?
次のページではいよいよ、この「伝説のやみつきホルモン」を目当てに広小路にやってきた、吉田類の酒場放浪記取材時のお話を聞いてみましょう。
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